福臨門酒家 丸ビル店 2009年6月1日

少し前のことになるが

先輩が昇進した

実際はたいした昇進でもないし

先輩の実力からすれば

まだまだ将来を望めるのだけれど

謙虚なその人は

ほとんど躁状態になっていて

奥さんと二人でわたしを招待してくれた

丸ビルの最上階で中華料理

福隣門酒家

喜という名前のついたランチのコースで料理が次々に運ばれてきて

食材の数を数えると相当になると思う

わんこそばかと思うくらいのタイミング

おなかいっぱい

でも最後のごままんじゅうとマンゴープリンまで食べきった

同じ名前の店が銀座にもあるし

案内を見ると香港や上海などにもある

味付けは控えめで日本人風にしてある感じがする

横浜中華街でやたらに五香粉などのかかったものや

チンゲンサイのクリーム煮にしてもやたらにクリームが中華風なのとは少し違う

ユニバーサルな感じ

中華街ではやはり味も極彩色であって欲しいし

丸の内なら品行方正という感じでもいいと思う

先輩の奥さんは昔から美人だったけれど

最近はさらに美人でうっとりだ

鼻のあたりから唇にかけてのラインがいいと先輩は言っていた

わたしなどは職場が男性ばかりで

女性を見るのは映画とかテレビばかりだけれど

先輩と奥さんを見ていると

ひとりの女性を大切にする人生はいいものだと納得できる

先輩と奥さんは少し年が離れていて

奥さんはもちろんわたしよりも年下で

奥さんのお顔の向こうには皇居の緑などを眺めながら

おいしくいただいた

先輩たちには子どもがいないから

ふたりとも若々しいのかもしれない

ランチの時間は6割くらい席が埋まっていて

男性を交えているのがそのうちの2割くらい

それも年配

あとは女性同士でそれも年配

高尚な広東料理という感じ

屋台とは対極

先輩とは有楽町のガード下などで

目玉焼きソース掛けご飯など

C級グルメを自慢しあったりするのだが

先輩の奥さんはやはりこのような場所が似合う

失礼な言い方かもしれないが、得する人生である

悩みはないこともなくて、やはり介護のことでは少し疲れている様子だった

ヨーガもフラメンコもやってみたけれど

体が硬いからうまくならないのだと言っていた

アルゼンチンタンゴの話を少しした

奥さんの妹さんは歌舞伎とか能狂言が好きで

見に行く前にいろいろと調べて勉強するのだという

そんな資料がだんだんたまっているらしい

人形浄瑠璃とかの話

近松の心中ものとか

話は情熱的だけれど実際の部屋は

一種の「片付けられない女」ではないかと言っていた

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